研究
三専門部会の発足について
中部大学創発学術院は、人類が次世代に残すべき学問を創発することを目的としています。すなわち何を研究すべきかを研究するというメタダイナミクスを内包している組織です。これを具体化するために三つの専門部会がそれぞれの専門性を活かしながら他の領域を融合していく研究活動を行っています。2021年度より「野生動物学専門部会」から「生物専門部会」へ、「心の先端研究専門部会」から「こころの専門部会」へと名称変更し、「数学専門部会」とともにより広範囲の学問領域と関係できるように組織再編を行いました。ガリレオ・ガリレイは“宇宙という書物は数学の言葉で書かれている”と言いましたが、それと同様に、“脳という宇宙は数学で書かれている”ということができます。これは新しいAI(人工知能)の創発は不断に行われることを意味します。三専門部会をつなぐ鍵概念はAIであるかもしれません。おりしも、2021年4月1日付で学内にAI数理データサイエンスセンターが生まれました。創発学術院はセンターに対してヘッドクオーター的な役割も演じることになります。三専門部会がセンターや他の学内組織とも連携し新しい学問を創発していきます。
2021年4月
副院長 津田一郎
(役職は2021年当時)
2022年度専門部会
*メンバーの〇は主たる担当者。所属は中部大学創発学術院。()内は本務先、中部大学以外は職名も明記。
【数学専門部会】
数学の持つ高度な抽象能力を生かして、様々な分野を繋ぐ新しい研究分野を創発することを目指しています。 この目標のもとに純粋数学・応用数学の垣根を超えたメンバーが集まり、他機関・他部局とも連携しながら、セミナーや講演会などの活動を行なっています。
メンバー
- 〇荒井 迅 教授 専門:力学系、計算トポロジー
- 津田一郎 教授 専門:応用数学(複雑系脳科学、カオス力学系)
- 川ノ上帆 准教授 (中部大学工学部) 専門:代数幾何学(正標数における特異点解消)
- 相川弘明 教授(中部大学工学部) 専門:解析学、ポテンシャル論 *連携教員
- ⻑⽥博⽂ 教授(中部⼤学⼯学部)専⾨:確率論
- 森 重文 特別招聘教授(京都大学高等研究院特別教授) 専門:代数幾何学
- 山口佳三 学園顧問(京都大学監事) 専門:微分幾何学
- 西浦廉政 学園顧問(北海道大学卓越教授、名誉教授、東北大学AIMR研究顧問)専門:非平衡ダイナミクス、力学系、数理材料科学
- 森脇 淳 客員教授(京都大学大学院理学研究科教授) 専門:代数幾何学
【生物専門部会】
所属する研究者の専門分野である、生態学、動物行動学、腸内細菌学、霊長類学にかかわる研究を深化させるとともに、各専門分野の融合による新しい学術の発展に向けた活動をおこないます。特に、所属する研究者の多くがフィールド研究を推進しているため、フィールドの生物学で集積される膨大な画像データや位置情報データをAIで処理するなど、データサイエンスとしての新学術分野の可能性について、他専門部会とも連携しつつ探索していきます。
メンバー
- 〇松田一希 准教授 専門:動物生態学、霊長類学
- 福井弘道 教授 (副学⻑、中部⾼等学術研究所)専⾨:地球環境学、空間情報科学
- 牛田一成 教授(中部大学応用生物学部) 専門:微生物生態学、腸内細菌学
- 土田さやか 講師(中部大学応用生物学部) 専門:腸内細菌学、微生物分類学、衛生学
- 湯本貴和 客員教授(京都大学霊長類研究所教授) 専門:生態学
- 幸島司郎 客員教授(京都大学特任教授・名誉教授) 専門:生態学、行動学、雪氷生物学
- 中村克樹 客員教授(京都⼤学ヒト⾏動進化研究センター教授)専⾨:認知神経科学
【こころの専門部会】
心の働きや、それを担う神経系の機構、他者とのかかわりなど、心に関する諸問題を、漢字の「心」でイメージされるものよりも、さらに広い概念の「こころ」として理解し、新たな「こころ学」を創出できることを目指します。部会に所属する、認知科学、神経科学、情報学、認知発達ロボティックスの研究者が、先端的かつ多様なアプローチで研究を展開する学内外の研究者とともに、シンポジウムやセミナーなどの活動を行ないます。
メンバー
- 〇川合伸幸 客員教授(名古屋大学大学院情報学研究科教授) 専門:実験心理学、認知科学
- 平田豊 教授(中部大学工学部)専門:生体情報工学、神経科学
- 齋藤洋典 教授(中部大学人文学部) 専門:心理言語学、社会・認知神経科学、認知科学、認知心理学
- 川上文人 講師(中部大学人文学部) 専門:発達心理学
- 浅田 稔 客員教授(大阪国際工科専門職大学副学長)専門:認知発達ロボティクス